アンボイナ

日々のくらしをレポート・おばはんの知恵袋

痔瘻になる⑤〈術後と料金〉

肛門周囲膿瘍の切開排膿手術を終え、

痛いのと情けないのと、何か人間としての尊厳を一つ失ってしまったかのような

脱力感で手術時の体勢のままおケツ丸出しでぐったりしていると、

看護師さんが抗生剤の点滴をしに来てくれた。

看護師:じゃあ点滴の針さしますね~。

私:はい・・・・・
看:グーパーグーパーしてくださ~い・・・う~ん・・・・

私:あ~・・・見えませんか?

看:ちょっと刺しますね・・・あー、ごめんなさ~い。

私:いいんです。いつもやりづらいって言われるんですよ・・・。

 

私は血管が見えづらいらしく、

いつも採血や点滴する時に看護師さんに迷惑をかけてしまいます。

何度も針を刺し直す事もしばしば。

 

看:いつもどっちの腕でやってます?

私:右です・・・(今打たれたのは左)

看:じゃあ、向き逆さまに寝てもらっていいですか~?

私:えっ?今ですか?今起き上がるんですか!?

看:はい。おねがいします!

 

非情な事に、おケツ丸出し切り立てホヤホヤの手負いの私に、

立ち上がって180度回転せよと仰るのです!

「何回刺し直してもいいから左にしてくれぇ!!!!」

・・・とは言えず、おケツ丸出しのまま立ち上がると、

もう痛くて情けなくてワシは一体何やってるんだろうと笑えてきた・・・っていうか、本当に笑ってしまった。

 

アハハハハハハ・・・・

 

怪訝な顔で私を見る看護師さん・・・・・

こいつはヤベー奴だ。と思った事だろう・・・。本当にごめんなさい・・・・。

 

看:じゃ、じゃあ刺しますねーグーパーしてくださいね~。

私:ハイ・・・

看:ハイッ!入りました!何度もごめんなさいね。

私:いえ、もうどうでもいいんです・・・点滴の痛みなんてどうでも・・(なげやり)

看:毒嫁さん、ほんと痛み強いですね~。すごいです!

 

この切開排膿手術は一日に何件もあるらしく、

あまりの痛さに叫ぶ人や暴れる人、手術を放棄する人がよくいるらしい。

私のように声を出さない人間は稀との事。

もう だろうね という感想しか出てこない。

 

処置台の上で30分抗生剤の点滴を受けながら

ショック状態の精神の立て直しを図る。

・・・・

 

点滴を終え先生から説明を受けるため診察室へ。

不思議な事にたった30分休んだだけでかなり痛みが引いていく。

脳内にドラクエで宿に泊まった後の音楽が流れた。

 

先:今切った傷口から時間をかけて徐々に膿を出さなくてはいけないので

  傷口が塞がらないようゴムが付いています。取れないように気を付けて下さい。

私:ゴムですか?

先:イメージ的には牛の鼻についてる輪っかのようなものです。

私:へぇ~。

先:では今日は安静にしてまた明日来てくださいね。

私:安静ですか・・・今日チャリンコで来たんですけど乗って帰っていいですか?

先:ええ!?ダメですダメです!!大出血しますよ!!

  っていうか、よくあの状態で自転車乗れましたね!

  今日はタクシーで帰って下さい!

私:はぁ・・・。

 

会計をして薬を出してもらい、クリニック前でまた悩む。

会計が予想より高かったのでタクシーに乗るお金がない事に気づいてしまったのだ。

(ちなみに会計は1万、薬は2千円位だった。)

大出血という言葉が頭をよぎりましたが、

あとは家に帰るだけだし、ちょうど運よくあずき色のズボンだったので、

(ズボンまで染みてもあずき色ならバレないだろと思った)←ばれるわ

もう、一刻も早く休みたいし、おケツと相談してチャリで帰る事に。

 

・・・・

あ、特に問題なく家路に着きました。

 

次回に続く(一体いつまで続くんだろう・・・)